■悪質商法と消費者救済の実例■


●内職商法●

 広告メールを配信する内職をしませんかと消費者を誘うサイトに応じたところ、高額なソフトウエアの購入とそのソフトウエアのメンテナンス契約を結ぶ必要があるといわれ、しかも価格が高額であったので、その業者の紹介する貸金業者からお金を借りてしまい分割払いに苦しんでいます。さらにその内職での報酬は一度も支払われませんでした、との相談を受けました。

 この事例は契約から数年を経過しており本来特定商取引法によるクーリングオフが困難に見えました。
 またそれ以前にソフトウエアの販売業者やメンテナンス業者の実在が疑われました。
 しかし、お金を借りてしまっているので、解決に躊躇している間にも、貸金業者への弁済義務は発生します。

 そこで、契約書面などの不備によりクーリングオフを行う期間は進行しないとしてクーリングオフをし、貸金業者に対しては、金銭の貸付ではなく実体からクレジット契約であると主張し、支払を停止しました。

 貸金業者は、あくまでも貸付金であるとしてこちらの主張を認めなかったため、訴訟を提起し、貸金業者に対する借受金の弁済債務は存在しないとの判決を勝ち取りました。



●幸運の印鑑●

 フリーペーパーの広告を見て店舗へ印鑑を買いに行ったところ、 「あなたは不幸になる、この印相の印鑑を作れば幸運になれる」などと3時間以上勧誘され契約してしまったが契約を解除したいとの相談を受けました。

 この事例は、店舗販売のためクーリングオフが使用できないので消費者契約法の退去妨害などを使用し交渉しました。



●ネットワークビジネス●

 マルチ商法にはネットワークビジネスという単語を好んで使用するところもあります。
特定商取引法が規定する、消費者に対して記載して交付すべき事項が極めて多数あるために業者が消費者に対して交付しなければならない書面が多くなります。
 また消費者から容易にクーリングオフをされないように、ただでさえ多い書面の記載内容を読みにくい文章で記載してある場合すらあります。
 その結果、消費者においてクーリングオフをするか否かの決断が遅れ、特定商取引法が定める20日間にクーリングオフができず、期間を過ぎてしまったと言う相談がありました。

 この事例は、契約書面の記載不備を主張し、まだクーリングオフができるとして訴訟を行いました。



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