【2】支払わない雇用主の言い分
残業代を請求しても雇用主から言い訳され、納得できないがそれ以上請求する意思を失っている方もあるでしょう。
このような雇用主にありがちな言い訳の例とその間違いを指摘しておきます。
(パターン:1) 「ウチは、見込みの残業代を含んで給与を支給している!!」
”【1】残業代の計算” の ”年俸制” でも記載しましたが、残業代を含む給与の要件としては、
@基本的な給与に関する賃金額(=])と、本来残業代等として支払われる部分に相当する金額(=Y)が明確に区分されていて、
Aこの本来残業代等として支払われる部分に相当する金額(=Y)が、想定される時間外手当・休日手当・深夜手当としての趣旨を明確にもち、
Bこの本来残業代等として支払われる部分に相当する金額(=Y)が(★式)の算式に当てはめたて算出された残業金額より多いことの3つの要件を満たす必要があります。
そして、(=Y)が(★式)の算式に当てはめたて算出された残業金額より少ない場合はその差額を請求することができます。
わずかな「予定残業代」で人をこき使うことなどできないのです。
(パターン:2) 「ウチには残業代の上限がある!!」
残業代を減らすために、残業時間や残業代の上限を設定している職場は多いのです。
だからと言って、雇用主のために上限を超えて残業した場合、その残業代を支払わないということはできません。
(パターン:3) 「キミは管理職だから!!」
ニュースなどにも取り上げられた ”名ばかり管理職” に関する判例で、『残業代が発生しない管理職の要件』 というものがある程度固まって来ています。
その要件とは
(1) その労働者が、経営方針の決定などに参画することや、労務管理上の指揮命令権を持っているなど、経営者に準ずる立場を持つこと。
(2) その労働者が、出勤、退勤について、ある程度自らの裁量でその時間を決めることができること。
(3) その労働者について、雇用主の賃金体系で、一般の労働者と比べて、立場にふさわしい厚い待遇を得ていること。
上記要件に該当しない場合、あなたは「管理職」ではありません。
一般の労働者として、残業をすればしただけ、残業代を雇用主に求めることができるはずです。
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