アメリカンシクリッド
パラクロミス・ドヴィ
Parachromis dovii

pr--kr-ms d-v

 中米コスタリカ周辺に棲む大型シクラソマで、野生では70pにもなるというグアポートの代表格である。並はずれた瞬発力と飽くなき闘争心の持ち主であり、アフリカンとは桁違いの暴れっぷりの前には長閑な混泳など望むべくもない。
 しかし頭部から背中、各ひれを彩る青いヒョウ柄の色彩には目を見張る美しさがあり、大型シクリッドファンの方にはぜひその魅力を味わっていただきたい美種である。
ペテニア・スプレンディダ
Petenia splendida
(Red)
p-tn-- spln-dd-

 ヒブナを思わせる色彩で改良品種と思われることもあるようだが、もともとこのようなレッドタイプが存在しており、歴とした原種である。
 マラウィのDi.コンプレシケプスよりもさらに大きな口を前方に突き出すようにして捕食する姿は圧巻である。→画像をクリック
 アメリカンシクリッドのなかではかなり温和な部類に入り、サイズさえ間違えなければアフリカンともうまく混泳できる。
コバルトブルードット・デンプシー
"Cichlasoma"octofasciatum
 ジャックデンプシーの改良品種と思われる。流通名が示すとおり、漆黒のボディーに青いドットが映える美しい個体である。何より驚いたのが、まだ4センチほどの体長でありながら、背びれ尻びれが立派に伸長していることである。
 最大20センチ程度になるらしいが、その体色とともに将来非常に楽しみである。
ヴィエジャ・アルゲンティア
Vieja argentea


 メキシコ南部やグアテマラに生息する。白銀を基調とした体色と丸い体型から月を連想させる美種である。体側の黒斑には個体差があり、ほとんど出ないものもいる。
 混泳に際しては、体高の高さによって威嚇が利くのか、無用の喧嘩で鰭を損なうことなく過ごしている。
 最大30pほどになる。
エトロプラス・マキュラータス
Etroplus maculatus


 学名より流通名のゴールデン・クロマイドの方がなじみがあるかもしれないが、そもそもあまり流通していないので珍しいといえば珍しいアジア産シクリッドである。
 画像のように全身鮮やかなオレンジに包まれ、体側に無数の赤いスポットが広がり、眼の下と尾びれの端にわずかに青がにじむ美種である。もっともこれは改良品種であり、本来のエトロプラス・マキュラータスは、緑がかった体色に黒斑が浮かぶかなり渋めの魚である。
 インドやスリランカの汽水域や湖沼に棲むということで、「汽水」と聞くと飼育には塩が必要かと構えてしまうが、同じように硬水を好むアフリカンシクリッドと普通に飼育することができる。
 最大サイズは10pにも満たない小型種であり、とてもおとなしい性質のため、混泳させるには同居の組み合わせに配慮する必要がある。

我が家で飼育経験のある魚について、五十音順にまとめてみました。

○斜体字は学名で、可能な限り発音記号も付けてみました。ただし日本語で一般に流通している読み方で扱うようにしています。シルトカラ・モーリーとかチャンプソクロミス・キールレウスでは混乱を招くと思うからです。
○それぞれの解説文は各種雑誌やシクリッドサイトを参考に、自分の経験を重ねてまとめたものです。