マンション管理士である司法書士によるマンション滞納管理費・駐車場代金などの回収

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松尾司法書士事務所

マンション管理士である司法書士による
マンション滞納管理費・駐車場代金などの回収

 様々な理由により、マンション管理費などの滞納に陥る方がおられます。
 しかし、これを放置すると、マンション全体に不公平感が広がり、ひいては「払わなくても良い」と言う間違った雰囲気が作られ、建物の経年劣化に対応する修繕積立金の不足や、日常の管理の質の低下が招く治安等風紀の悪化により、マンションの資産価値が下がります。

  「マンションは、管理を買え!」とよく言われますが、この管理のためには、管理者が滞納者に対して「全住民の資産価値と安定した暮らしのために厳しい姿勢を見せることもある」と言う事実を見せておく必要があります。

 管理費の回収方法には交渉・管理費等請求訴訟とこれによる競売など・区分所有法7条による管理費についての先取特権による方法・区分所有法59条による競売があります。

1. 『交渉』

 滞納者も、管理者も同じマンションで今後も生活する可能性があります。
 当事務所では事を荒立てない解決をめざし、まず交渉を行います。この際、内容証明など高圧的な交渉にならないようにしています。
 しかし、「全住民の資産価値と安定した暮らしのために」引けない部分はあること・・・を示しつつ交渉を行います。

 滞納原因には、経済的な困窮から管理組合に対する不満までさまざまな場合があります。
 そこで、滞納者が滞納に至った理由を聞きとり、支払い可能であれば、分割支払いなど適切な弁済計画の提案などを行います。

 失業などで支払いが全く困難な場合は、不動産仲介業者を介して、任意売却を勧め、その売却代金の中から滞納管理費などを弁済してもらうことや、あるいは、滞納管理を引き受けたうえで購入を希望する買受人を探すことなどを行います。
 (建物の区分所有等に関する法律 8条により、管理費などは区分所有建物の買受人に対しても請求することができます。)
  管理組合や近隣住民との心理的な葛藤がある場合は、これを解消する方法を提案します。

 交渉が、奏功しない場合は、「他の区分所有者との公平な負担による管理」が維持できなくなり、「管理費など滞納しても問題ない」などと言う雰囲気が醸成されないうちに、訴訟手続きへ移行します。
 また、これには管理費などの消滅時効(5年)を中断する意味もあります。

2. 管理費等請求訴訟とこれによる競売

 法人格のない管理組合の場合、規約や総会で管理者に訴訟の原告となる権限を与え、この管理者から司法書士が滞納管理費などの支払い請求訴訟の訴訟委任を受けます。(ただし訴訟において請求する滞納管理費などが140万円までの場合)
 勝訴判決を得て、滞納者の預金・給与・賃貸収入・区分所有建物などに対して強制執行を行います。
 (経済的な困窮により区分建物の住宅ローンも、公租公課も、もちろん管理費なども払えない、という場合があります。このような場合、その滞納者の区分所有建物を競売してもオーバーローであったり、課税当局からの滞納税金の交付通知があるなどし、民事執行法63条による競売手続きの無剰余取消になってしまう場合もありえます。このような場合に備え、管理者ないし管理組合を法人化して買受を検討するなどの対策を講じるなど着地点を検討する必要があります。)

3. 区分所有法7条による管理費についての
   先取特権とこれによる競売

 建物の区分所有に関する法律7条により、管理費などについては管理者が、滞納者の所有する区分建物やその中の動産の上に「先取特権」を保有するとされています。この「先取特権」は民法306条の「共益の費用」の先取特権とされますが、民法335条1項により、区分建物以外に対して先取特権を行使し、それでも不足がある場合に限り区分所有建物に対して先取特権を行使できます。

 また、「共益の費用」の先取特権は担保権であるので、民法306条・民事執行法193条により滞納者が得るその区分建物賃料債権などに差押をすることができます。
 (この担保権の実行は、民事執行法193条により訴訟手続きを経ず、いきなり実行することができます。)
 (経済的な困窮により区分建物の住宅ローンも、公租公課も、もちろん管理費なども払えない、という場合があります。このような場合、先取特権を担保権として、その滞納者の区分所有建物を競売してもオーバーローであったり、課税当局からの滞納税金の交付通知があるなどし、民事執行法63条による競売手続きの無剰余取消になってしまう場合もありえます。このような場合に備え、管理者ないし管理組合を法人化して買受を検討するなどの対策を講じるなど着地点を検討する必要があります。)

4.区分所有法59条による競売

 管理費等の未払いが、「建物の保存に有害」ないし「建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為」に該当するほどひどく、上記1〜4のような方法を行っても無駄な場合にその区分所有者を排除してしまう続きです。
 要件が、このようにとても厳しいのですが、競売が無剰余取消になりません。
 しかし、競売による買受希望者が出現しない場合に備える必要はあります。


初回ご相談時にご持参いただくもの

初回ご相談時には、以下のものをご持参ください。

1、マンション規約
2、過去の総会において滞納管理費について
   討議したことがある場合は、その議事録
3、滞納者の区分建物の登記事項
4、管理費の入金記録
5、管理者(ご相談者)の免許証