敷金は戻ってくるの?
最近になって「敷金を返還してもらいましょう」ということを耳にするようになりましたが、まだまだ『礼金と敷金は同じ扱いのものだから、どちらも払って当然。払ったら、終わり。』という考え方を常識と認識している方も多いようです。 まずそこで疑問に感じてください。 仮に、『礼金』と『敷金』が両方とも『礼金』なら、何故言葉を分ける必要があるんでしょう? そしてもっと悪いことに、当初収めた敷金では不足しましたと貸主側に言われて、何故払ってしまうのでしょう。 本当は、追加で払う必要もなく、納めた敷金も返って来る可能性が充分にあると、借りている人は知るべきです。 法律の背景をお話しましょう。 建設省(現国土交通省)が「賃貸住宅の原状回復をめぐるトラブル事例とガイドライン」を平成10年に発表しました。 「○○を交換する代金は○主側が負担する」ということが、襖一枚から書いてあります。 同じ年に、『小額訴訟制度』の利用が可能になったことも手伝って、ガイドラインを根拠とした、借主側に有利な判例が積み重なってきました。 そう、まさに、「敷金の一部を返しなさい」という判例です。 その6年後、小額訴訟の限度額(最高の額)が、それまでの2倍の60万に拡大されました。 60万の敷金訴訟というと、小さな店舗等も含まれるでしょうからこれで解決することも出来るでしょう。 そして更に、『消費者契約法』が、借主が「消費者」である場合消費者守ることになります。 今、この新たな常識は浸透しつつあり、小額訴訟に至らなくても交渉で、敷金返還を受ける例も増えて来ました。 ただ、いまだ、司法書士などの代理人を立てたないと賃貸契約のプロである貸主と、対等に渡り合うことは難しいようです。 あなたは、立ち退き時の費用見積もりをしっかり見たことがありますか? 不当な要求に、「ああ、そうなんですか」と、いわれるままに納得していませんか? そのお金、払わなくてよいものかもしれません。 ただし、 「常識を超える汚損」の原因が借り手側にあるときには、もちろん、敷金はその復元のために補填され、不足が発生することもあるかもしれません。
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