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The Alfaromeo

                   105family
105系でよく発生するトラブル(当社に持ち込まれたAlfaから)。ご自分の愛車で同じような症状が有るときには参考にして下
さい。この中にはAlfaに限らず、すべての車に共通の症状の物もあります。音については反響したり、周りのパーツに伝わっ
たりしますから、的確な判定は難しい物です。金属的か、柔らかい音か、回転数に比例して発生するのか各種の条件をよく考
えて見極めることが大切です。もし、これ以外の症状で“整備しても変わらないよ”と言ったような事がありましたらご連絡
下さい。判る範囲でお答えいたします。


            マニュアルミッション車で車両を壊さないために必須のシフトダウン操作

マニュアルミッション車を所有されている方で(ヒール&トゥー:減速時において、駆動系に過度な負担をかけない為の操作方法)いう言葉を
知らない方はいないと思いますが,では実際、そのテクニックを使用してスムースなシフトダウンが出来ているドライバーの割合はいかほどなの
か? 今回、どうしてこのような事を記事にしようとしたのか。それは当社にENG不調で持ち込まれた車両を分解、測定して解る事は、多くの車
両で許容範囲内において正常操作で使用されていれば発生しないような症状になっていることです。

不調になった原因で(電気関係を除く)一番多いのがオーバーレブ及びOIL交換時期が使用状況に比べて長すぎる事です。

ENG–OH後、ENGが快調に回るようになったからといって、頻繁に許容範囲値以上の回転で使用していた。この様な使い方をしているにも関わら
ずOIL交換サイクルが適正に実施されていない。ENGを高回転で回せば回すほどピストンとスリーブ間の側圧は増加していきます。それに伴って
OILの分子構造が剪断されることによりOILの性能は低下していきます。その為、見た目はきれいでもOIL性能は思っている以上に低くなっていま
す。ですから、そのような状況で使用されていたENGを分解し測定してみると、スリーブ上部から40~50mm以下では
異常な摩耗が発生している
場合が多く、結果としてOIL消費が多くなってきています。
旧車に指定されているENGOILグレードは20W-50(鉱物油)が多いと思います。ご存じのように鉱物油の場合、大気に触れているとENGが稼働
していなくても劣化は進行していきます。この話をすると、時々しか乗らないから、と、言われる方が多いのですが、
エンジン内部はブリーザーホ
ースを通して大気に繫がっています
。その為、OILの劣化は進行していきますから、ほとんど乗らないから大丈夫と考えるのは非常に危険です。
次に、
シフトダウン時にオーバ-レブを起こしていても気が付いていない人が多いように感じます。シフトダウン時にタコメーターを観ている方は少
ないと思います。もしシフトダウン時にショックの無いスムースな回転合わせ、適切なクラッチ操作ができない場合には、ごく低速は別にして、一
般的にはリヤータイヤのロック、急激なENGブレーキによるENG回転の急上昇があり、このときにミッション、デフ,ENGに過大な負荷が掛かります。
仮に4速で4.000rpmから3速、2速と連続してシフトダウンした場合、かなりENG回転が上昇します。
ALFAのギヤーレシオは4速(1.000)3速(1.355)2速(1.998ほぼ2.0)ですから、極端な例として、ヒール&トゥーを使用しないでさらに3速を
飛ばしてこの操作をしたら、2速に落としたときのENG回転数は8.000回転に上昇します。常識としてこの様な操作はしませんからこのような事に
はなりませんが・・・・・
仮に未舗装路の様なグリップの低いところで、後輪がロックするようなシフト操作をした場合、少しでも舵角が有ると簡単にスピン状態に入る可能
性が有ります。走行時,ENGはドライバー側から観て左回転していますが、上記のような操作をした場合後輪が急減速することから、ドライブ経路
を通じて正回転を止めようとする逆入力が働きます。その為、関連する回転軸に過大な捻れ力が掛かり、クランクシャフトのねじれ(曲がり)、
タイミングチェーンの伸び、プロペラシャフトのラバーカップリングの様な箇所ではゴムの断裂が発生します。この部分の初期症状はひび割れの発
生、次に3箇所で固定してある箇所から破断が始まります。ミッション後部付近からから異常振動が出た頃には破断箇所のどれかが飛散して無く
なっている事があります。ENGマウントの折損もよくあります。
上記のような過負荷が掛かったENGではクランクの振れ測定をすると当社のデータでは10~50/100mm(メーカー規定値は1/100mm以下)の
車両も多くあります。)
クラッチディスクの異常摩耗、フライホイール&クラッチカバーのディスク接触面の焼け、歪み、荒れ等があります。OILポンプシャフト駆動ギヤー
固定ピンからの折損、デフピニオンギヤー歯の欠損等があります。

大切な車を長期間快調に使用するためには、シフトダウン時に後輪からの反力をスムースにENG回転と同期させるよう、クラッチ操作をなめらかに
行い、各部に異常な負荷をかけない運転操作を心がける事。又、ブレーキフルードを含めた油脂類の定期的な交換を推奨致します。

次に、巡航時からの追い越しや登坂時にシフトダウンする場合には、上記のブレーキを踏む操作を省いてダブルクラッチを使いシフトダウンします。
仮に60k/mで走行中に4速から3速に落とす場合には、クラッチペタルを踏込みながらシフトレバーをニュートラルにし、クラッチペタルを戻すと
同時にそのときの速度に合わせた3速時のENG回転になるよう回転を上げたら、素早くクラッチペタルを踏み込むと同時にシフトダウンし、素早くペ
タルを戻しますが、このときクラッチが繫がる瞬間に速度とENG回転をスムースに同期させる操作を覚えて下さい。そうすれば車体のギクシャクした
動きが無くなり、駆動関係に異常負荷が掛からなくなりますます。
                
   症   状

ENG関係

回転の上がりが重い
特に4.000rpm付近から上での吹け上がりが重くなる
注:3速以上のギヤーで確認する事


パワーアップ
それは簡単にはいかない 
交換するだけで体感できるほど簡単にパワーアップが可能なパーツがどうしてカーメーカーに採用されないのだろう?
パーツの宣伝文句に惑わされないように!

価格差だけで会社を選
ぶ事は将来後悔する事
が多い。
注:工賃が高
くても、内容が共なわな
いところも多いが・・・


              原        因
           

基本的にENGパワーが無いのが原因。これの確認にはノーマルのENGならキャブのセッティング等すべて純正仕様の状態であるか確認し、次にコンプレッションを測定し、8以下ならOHが必要になる。よくこのような状態でプラグを変えたり、点火時期を変更してみたりしている人をよく見かけるが、こうなったら小手先の修理では本来の性能に戻すことは不可能です。永く好調に乗り続けるには思い切ってOHするべきです。

これに関しては多くの方には関心のあるところだと思います。簡単なところでは電気周りのパーツを交換する方法。これは調子の良いEngではほとんど体感出来ないでしょう。プラグコード、IGコイル、フルトラkitなど実際に組み込んでベンチテストをしてみるとよくわかりますが、低速から中速にかけては良くなるものもありますが、高速ではほとんど効果が期待できないと思って間違いありません。費用対効果をよく考えることです。

キャブレターは口径の大きいものに交換すればパワーアップ出来ると思っている人も多いはずだ。これもキャブレターの役割、構造をよく理解していればわかることです。但し使用目的が限られている場合には、これは違ってきます。たとえばドラッグレースの様に全開時にだけパワーがほしい時にはある程度口径の大きな物の方が有利である。しかし一般に使用する場合には低速から高速までスムース扱えることが最重要である。そのためには、Engが要求する燃料をいかに理想的に霧化し、燃えやすくして送り込むかが重要になる。そのあたりをよく考えてください。必要以上の燃料は、Engが調子悪くなるだけです。ちなみに当社でメンテナンスしているジムカーナ仕様のF3用無限Eng(2.000cc)は、スライドバルブのインジェクションからウエーバーキャブに交換して240psを発生している(当然3.000回転以下は全く使えないが)が、口径は45φである。これでわかるように。町乗りで使用する場合には45φもあれば充分すぎる大きさだと思います。

チューニングパーツの採用についてもよく考えなければいけません。OH後に、どこどこ製のカムとピストンを組んであるからこれだけのパワーが発生していると言われた!と、それを信じている人が多くいます。実際にパワーチェックはしてみましたか?ただパーツを組み込むだけでパーツメーカーが言っているだけの性能が発生されるとは思いません!パワーを絞り出すためには、細部まで神経を使い、クリアランス、バランス、各部の組み合わせ具合等、基本を忠実に守って組み上げていかなければいけません。例を挙げると、ボルトやナットのはめ合いが堅い、錆びている、汚れている、ねじの部分やワッシャとの接触部にグリスを塗らないでそのまま組み付けている。これではまともなEngは出来ません。完成したEngがどれだけも走行していないのにOIL漏れで汚れているなどは、まともに組み付けてあるとわ思われません。AlfaのENGは精度が悪い、部品の耐久性が無い、などと一般に言われてれているようですが、決してそんなことはありません。そのようなことを言っているメカニックは、自分の未熟さを部品やEngのせいにしているだけでは無いだろうか?


アイドリング時 
ENGの揺れが多い回転の下がりが遅い

一番多いのが、キャブレターの同調不良。キャブ本体の整備状況が正常なら、前後の同調をとれば揺れが収まりますが、これには条件があります。キャブ以外の状態が正常である事。たとえばタペットクリアランスの不良、コンプレッションのばらつきがひどい、プラグ発火状態が良くない等々ではバランス取りが難しくなります。

水温が上がり気味




ベルトのテンションが緩い。まれにクーリングファンの取り付けが、前後方向逆になっているのを見かける(効率が悪くなる)。 ラジエターの中にスラッジが溜まっている。段付きの場合には、フロント側にシュラウドがないため、渋滞時のように走行速度が遅い場合には、ENGルーム内の熱風がラジエター前方に回り込み、それを吸い込むために水温が上昇してくる。
当社でシュラウドを製作、取り付け後テストをしたら水温が下がり、渋滞時でも水温が安定するようになった。


オイル消費が多い





オイル漏れの無い場合には、ENG内部の異常が考えられる。絶えず白煙を吐くようで有れば、ピストンリングの折損、シリンダーの摩耗、ENGを始動したときにだけ白煙を吐く場合は、バルブガイドの摩耗でオイル下がりが発生している。ブローバイから吹き出る量が多い場合も上記と同じく、シリンダーの異常摩耗等で、圧縮圧力がクランクケース内に入り、内圧を高めるために起こる症状です。又 粘度の低いオイル(10w-30、10w-40などだが、銘柄によって差がある)を入れても同じ症状が出ます。
よくレベルゲージの上限までオイルを入れてオイルの消費が多いと言う人がいますが、本来ゲージの中央付近まで入れるのが常識で、それ以上入れた場合には、ENGに異常が無くてもブローバイから吹き出したり、燃焼室に入り込んだり(燃えてカーボンが堆積する)して減るのが普通です。そういった人は、一度ゲージの中央まで注入してから実際にオイルが消費するのか試してみてはいかがでしょうか? これでオイルが減っていけば、ENGのOHを考えないといけません。又 年式の古い車に、最近の化学合成オイルを使用すると、オイル消費が多くなるのは当然です。新車時のマニュアルにあるようなグレードを使用するのがベストです。

電気関係
プラグの火花が弱い電気パーツの調子が良くない




このような症状だと、すぐにフルトラなどに交換を勧められることが有るようです。その前に、電気周りの接触不良がないか点検してみましょう。アーシングも一つの方法ですが、その前に年式の古い車では、アースだけではなく、すべての端子及び結線部分の表面を、400番くらいの紙ヤスリで磨き、その後接点復活剤をスプレーして下さい。これだけで調子が良くなる場合が多いです。追加した電気パーツのアースを鉄板ビスでパネルに固定してあることが多く見られます。この方法でも取り付け部の塗装を剥がして有れば良いのですが、剥がしてないのがほとんどです。これでは、アース部分がパネルの板厚部分でしか接触していないため、すぐに接触不良になりやすいです。



クラッチ関係

発進時のジャダー現象
登り坂での発進やステアリングを切った状体での発進、後進時症状が発生する





一般的には、フリクションディスクとフライホイールやプレッシャープレートの当たり面の偏摩耗による不均一な当り、クラッチカバー圧着力の不均一(コイルSP形式の物は、数個あるSP
が一定の割合でへたらないので圧着力が不均一になる)で、ジャダーが出る。
ダイヤフラム式の場合では、SPのへたりが原因になるのは少ない。但し半クラッチを多用してフライホイール側のクラッチ
当たり面に焼きが入ってしまうと症状が発生することもある。
Alfaの機械式クラッチカバーはコイル形式です。そして、このシステムではシステム自体に問題があり、たとえ互換性のあるカバーが有っても、完全に症状を消すことは難しいです。
当社が開発したKITに交換すれば、システムが油圧式と同仕様になるため、低コストでジャダーの症状を解消できます。
productsページ参照


ミッション関係
シフト時のガリつき



シンクロリングのへたりが主の原因になるが、シンクロスリーブの摩耗も関係しているのでOH時には少し予算が掛かりますが、思い切って交換した方が確実です。5速用は前後逆にして再使用出来るが、すでに再使用してある場合があるので注意すること。
リバースのシフトフォークの先端が摩耗しやすい。ほとんどの車がかなり摩耗して段が付いている。リバースに入れるときは、ENG回転を上げず、車を完全に停車させて、軽く入れるのがこつです。この場合クラッチが完全に切れているのは当然のことです。

冷間時にギヤーの入りが悪い



オイルのグレードや、銘柄を変更してみる。低温流動性の良い物、
温度変化に対して粘度変化の少ない物を選ぶこと。それでも変わらないときは、摺動部分が堅いことが考えられる。こんな場合は、添加剤を入れる手もある。テストした物では、EPL(ENG、ミッション、デフ等の摺動部分に作用してフリクションを減らす。燃費の向上、シフトが軽くなる等)が良い結果を出している。ただし価格が高いのが難点だ。\15.000-/1本(500ml)使用オイル量の10%を添加する。(初回のみ、その後は3%)



ジャージャー音がしているが、クラッチを切ると消える
停車した状態でENGを始動し、ドアーを開けて床下を覗きながらクラッチを切るとよく判ります。
ミツションBGの摩耗、交換時はメンドラのニードルローラーも含めすべて交換すべきです
デフ関係
走行中ゴーゴー音がリヤーシート辺りから聞こえる


デフBGの摩耗。この場合注意しなければならないのは、リヤーハブBGの摩耗でも同じような音がする。確実な箇所を探るには、車をジャッキアップして、3速、2000rpm位で後輪を回しておき、細い棒(ドライバーの長いのでよい)の一方を耳に当て、もう一方を自分が探りたい箇所(デフ、アクスルケースのBG部分)に押し当てれば、容易に判定できます。
注意:タイヤ等の回転部分に十分注意し、車体はリジットラックでしっかり固定して安全に作業をすること。間違ってもパンタグラフ等の簡易TOOLを使用してはいけない!!
デフの0Hは簡単そうで難しいです。経験のある整備工場を選ぶことが大切です。
プロペラシャフト
極低速でスロットルONOFFしたときに、床下で コキコキと音がする。急発進、急加速時に、センタートンネル中央付近からゴトゴト音がする。

クロスジョイントの摩耗。まれに、リヤー側プロペラシャフトの、前方にあるスライド部分のスプラインが摩耗していると、似たような音が発生する。このシャフトをそれぞれ反対方向に捻ってみてガタが有ればASSY交換になる。

センターマウントのへたり。要交換。ENGをパワーアップし、ハイグリップタイヤを装着した車でこのような乗り方をすると、Alfaのゴム関係は柔らかいので防ぎようがない。おとなしく乗ることだ。


特定の回転域でミッションの辺りから振動が出る。 センターBGの摩耗が原因の時が多いが、まれにミッションのアウトプットシャフトと勘合しているペラシャフト先端部分内のブッシュが摩耗してガタがあると、振動の原因になることがある。シャフトを上下に揺すってみて、ガタがあるようだとブッシュ交換になります。
ハブBG関係
走行中フロントからゴーゴーと音がする。
フロントハブBGの摩耗。停車時にタイヤを揺すってガタが有っても、一概にBGが摩耗しているとは言えない。調整不良でもガタが出る。カーブを走行してみて音が大きくなれば間違いなくBGの異常です。たとえば、右コーナーで音が大きくなれば左のBGが異常です。

リヤーからのゴーゴー音 デフ関係を参照。
フュエル関係
電磁ポンプ。


出来るだけフュエルタンクの近くに取り付けることがベストです。
ENGルーム内に取り付けてあるのをよく見かけますが、これではポンプの能力を生かし切れません。又、メーカーによって吐出圧力がずいぶん違います。自分のENGに合った吐出量のポンプを見つけるのは大変です。吐出圧によってはキャブの油面が適正でなくなり、ENG不調の原因になることもあります。通常の使用で有れば純正の機械式がトラブルもなくベストだと思います。

ストレーナーの目詰まり

たまにはストレーナーも点検清掃してください。目詰まりが原因でENG不調になっている場合もあります。錆びが多く詰まっていれば、タンク内が腐食していると思われます。フュエルユニットを取り外して内部を点検してみてください。長期間乗らない場合には、満タンにして置く事を心がけてください。
STギヤーBOX
オイルが漏れる。
遊びが 多い。
ゴリ付く。
(バーマン製)


ケース下部からオイル漏れがある。オイル漏れが無くても、オイルが漏れてしまって中が空の場合もありました。一度、上部のオイル注入口から内部のオイル量を点検してみてください。オイルの量は注入口から1cm位にあればOKです。もしオイル無しの状態で使用していると、摩耗したボールの動きが悪くなり、STホイールの動きかが重くなります。最悪の場合、これを無理に回すとギヤーBOXのケースにクラックが入ったり割れてしまいます。バーマン社はすでに存在していません。従ってパーツの供給は不可能です。
ケースが割れる前にOHしておくべきです(puroductsページ参照)


トラニオン
リヤーのふらつき



デフ前方上部にあるT型の大きな部品で、車体とデフとを結合しています。走行中にリヤーの車軸が左右に振れるのを制御しています。左右にブッシュケースあり、そのケースとトラニオン本体の間に5mm程のゴム製スペーサが入っています。しかしこのスペーサーが摩耗脱落した状態を知らないで乗っている人がよくいます。これがないとリヤーのふらつきの原因になります。又 これの交換は手間が掛かる為、手抜き作業でトラニオンを脱着せず、スペーサーを切って隙間に差し込むだけにしている人がいますが、これだと走行中にこの部分はねじれ力が掛かりますから、すぐにちぎれて脱落してしまいます。
調子よく乗るためには、手間を惜しんではいけません。


サスペンション
走行不安定


サスペンション関係のブッシュ類のへたりがある場合には、走行が不安定になったり、悪路で異音が発生する事がある。
直進性が悪い場合にはタイロットのボールジョイントのにガタがあるときに発生しやすい。点検方法は、ジョイント部を下から押してみてガタがある場合には交換が必要です。これ以外ではアライメントの狂い、タイヤの変摩耗、エアー圧、ブレーキの引きずりなどが考えられます。

ブレーキング時に前方でゴツンと音がする。
フロントアッパーアームにスイングアーを取り付る箇所のブッシュがちぎれていると、ブレーキング時にゴツンと音がする。又ステアリングを切ったときに、車によってはタイヤがフェンダーに干渉する場合かある。
ショックアブソーバー 
はロール角を制御する物ではない。

ショックアブソーバーでは勘違いをしている人を多く見かける。このパーツはロール角を制御しているのではありませんから、ダンパーを堅い物に交換してもロールは減りません。ただ柔らかい物に比べてロールがゆっくりになるため、ロールが減ったように感じるだけです。又、縮み側の減衰力が低すぎるとロールに入った時に慣性力の働きで、通常のロール角よりも多くロールしてしまいます。特に高速でコーナーに進入したとき、ドライバーには多くの不安感を与えてしまいます。
アブソーバーはスプリングの硬さと密接な関係があり、どちらか一方だけを交換することはあまり意味をなしません。ただ非常にデリケートなパーツであり、ドライバーの好みに合うように組み合わせて、そのフィーリングを楽しむことも一つの方法かもしれません。
ブレーキ
ブレーキを効くようにするにはマスターシリンダーのピストン径の大きい物に交換すればOKと信じている人がよくいる。
これは大きな間違いです。
ブレーキはパスカルの原理を利用しています。確か中学生のころ習ったはずですが、この原理は入力側と出力側のピストン断面積の比が大きければ多いほど小さな力で出力側に大きな力を出すことが出来ます。その代わり面積比が大きくなるとそれに比例して入力側のピストンストロークもたくさん必要になります。通常言われているピストン径を大きくするとピストン面積比が小さくなりますから、前に説明した原理から入力側(ペタル)のストロークは少なくなります。これが勘違いの元で、感覚的にはペタルストロークが減り、剛性が上がったような感覚になりますが、実際のブレーキング能力は減少しています。ブレーキング能力を高めるにはマスターシリンダーのピストン径を小さくするか、キャリパー側のピストン径を大きくするかのどちらかになりますが、ペタルストロークは増えますから、それを考慮に入れて作業しなければいけません。

4ポットキャリパー
にすると効きが良くなる.是も怪しい情報だ。
上の説明からも分かるように、ピストン面積の合計値が同じなら結果は同じです。ただし4ポットの場合にはディスクパットの形状が縦長になり、複数のピストンで力点を分散させるため、2ポットに比べてパットが変形しにくく、パットがローターに対して均等に力を伝えやすい。通常はパット面積が増加している製品がほとんどなので、その分冷却効率が良い=フェードが起きにくい。このようにブレーキ全体に対する能力は2ポットよりも上だが、4ポッに交換すれば必ずブレーキの効きが良くなると言う考え方は正確ではない。