08 月 11 日(Monday)
今日も鵜飼は中止となった。水位が高いので手こぎの屋形船の安全運行
が出来ない為であるのだが、鵜飼船だけでも出して河原から見せるだけで
もしたらいいのに・・・と思う。来年役員会で提案してもらおう。
小ぶりだが魚田さんになんとか揃えてもらった長良川美濃近辺の鮎。大き
な鮎が捕れなかったので塩焼きは2匹当てに。今年は本当に鮎が捕れない
ので市場にもほとんど美濃鮎は数が出ない。魚田さんのところに持ち寄られ
る貴重な美濃鮎で綱渡りの状態。この後1週間どうなるのだろうか?盆前で
値段も吊り上がってくるのは間違いないし、長良川の水位は網漁にも友釣り
にも高いし・・・。お客様をお断りすることになるやも知れない。
こんな思いで魚田さんと共に悩み、苦労して長良川美濃近辺の天然鮎の
みを仕入れお出ししているのに、今日のお客さんの言葉で撃沈した。
『こんなの本当に長良川の鮎かどうか解らん?』とお手伝いさんが聞いた
らしい。魚屋さんと気まずい思いまでして、苦労して仕入れているのに・・・・
はぁ〜・・・・・・。30分ほど椅子に座り、窓に写った自分をぼーっと眺めては
思いに耽る。『こんなことならいっそこだわらず、どこの鮎だろうが使用して
も一緒か?』 結局は自己満足なのかとかなり悩む。
しかしながら6,000円という大金を頂いて遠方よりわざわざ食べに来てい
ただいているのだし、認めていただいているお客さんの方が多い。同じよう
な料金で養殖鮎や他川の鮎を使用してるところはごまんとある。
自信を持って庭で鵜と長良川の鮎の説明を1時間余りに渡って行う。
余談ではあるが、長良川の天然鮎は確実に減少し味も落ちつつある。言い
たくはないが、料理店こそ現状を言わなくてはならないと思っている。
国、岐阜県並びに行政は『一級河川』の名に、未だに浸っている。この10年
の水の減りよう、砂の増えよう、鮎の減りようは尋常でない。季節が終わっ
てみれば 『今年は水位が例年になく高かったため・・・鮎の漁獲高は最低』
と誤魔化されるだけだろう。目隠し続ければ長良川は莫大な自然遺産を失
うことになる。(あくまで料理人としての言葉である。)
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